ピックルボールのルール
USA Pickleball(米国ピックルボール協会)の『2026 Official Rulebook』のうち、重要な条文と運用の基準を、日本語で章ごとに整理・解説したものです。
この解説は、ピックルボール環境整備ネットワークが作成した非公式の資料です。USA Pickleballの公式な翻訳ではありません。 公式の大会や細かい判定の基準では、必ず公式の英語版ルールブックと、各大会の規定が優先されます。
用具の細かい試験数値・技術基準は、別の文書『Equipment Standards Manual』で定められています。
出典: USA Pickleball『2026 Official Rulebook』。誤りにお気づきの際は、info@pickle-japan.com までお知らせください。
目次
- 第1章:ゲームの概要と基本の考え方(The Game)
- 第2章:主な用語の定義(Definitions)
- 第3章:コートと設備仕様(Court and Equipment)
- 第4章:得点方式(Point Scoring)
- 第5章:立ち位置とサーブ順序(Player Positions and Serving Sequence)
- 第6章:レディネスとスコアコール(Player Readiness and Calling the Score)
- 第7章:サーブ規定(Serving)
- 第8章:ライン判定(Line Calls)
- 第9章:デッドボール、フォールト、ヒンダー(Dead Balls, Faults, and Hinders)
- 第10章:ラリー中の状況(Rally Situations)
- 第11章:ノンボレーゾーン規則(Non-Volley Zone Infractions)
- 第12章:プレー中のパドル(The Paddle During Play)
- 第13章:ネットおよび支持装置(The Net & Net Support System)
- 第14章:標準ルールの変形(Variations on Standard Pickleball)
- 第15章:大会種目と得点形式(Tournament Events and Scoring Options)
- 第16章:大会ディレクターの責任(Tournament Director Responsibilities)
- 第17章:審判の職責(Referee Responsibilities)
- 第18章:選手の試合前責任と用具・服装(Player Responsibilities)
- 第19章:大会におけるライン判定(Tournament Line Calls)
- 第20章:大会中の特別状況(Tournament Match Situations)
- 第21章:タイムアウトと休憩規定(Time-Outs and Breaks)
- 第22章:非スポーツマン的行為と罰則(Unsportsmanlike Conduct and Penalties)
- 第23章:リタイアと棄権(Retirements and Withdrawals)
- 第24章:審判のいない大会規定(Non-Officiated Tournament Play)
- 第25章:インクルーシブ競技規定(Wheelchair, Adaptive Standing, and Hybrid Play)
第1章:ゲームの概要と基本の考え方(The Game)
1.A. 競技の概要
ピックルボールは、バドミントン、卓球、テニスの要素を合わせたパドルスポーツである。穴の開いた専用ボールを、テニス型のネットを張った幅20フィート(6.10 m)× 長さ44フィート(13.41 m)のコートで打ち合う。シングルスとダブルスの種目がある。
サーブは定められた動作で、ネットを越えて対角のサービスコートへ打つ。標準の得点方式では、サーブ側がラリーに勝ったときだけ得点する(サイドアウト制)。通常は11点を先取し、2点以上の差をつけた側が勝者となる。
1.B. 独自の特徴(Unique Features)
- ツーバウンスルール(Two-Bounce Rule): サーブ後、レシーバー側が最初の返球の前に1バウンドさせ、次にサーバー側も最初の返球の前に1バウンドさせなければならない。
- ノンボレーゾーン(Non-Volley Zone / NVZ): ネットから両側に各7フィート(2.13 m)の範囲。ここではボールをノーバウンド(ボレー)で打つことはできない。
- 車いす・適応競技(Wheelchair and Adaptive Play): 車いすの選手や一定の障がいのある選手は、2バウンドまでの返球が認められる。1バウンド目はコート内、2バウンド目は競技エリア(プレー面)のどこでもよい。
1.C. 基本の考え方(Underlying Principles)
- 協力と礼儀: 選手同士が協力してゲームの楽しさと公平性を維持する。ルールブックに定めのない状況が生じた場合は、選手同士が協力して解決に努める(審判に判断を委ねる、ラリー結果を有効とする、または極端な場合に限りリプレイとする)。
- 全ポイントの同等性: すべてのポイントは、その重要度に関係なく同じ扱いを受ける(試合最初の1点も、マッチポイントも同等)。
- コールの責任と迅速性: ダブルスではどちらのパートナーもコール(特にライン判定)を行える。遅れて自分に有利に使われないよう、コールは速やかに行わなければならない。
- 疑わしい判定の処理: 疑わしい判定が生じた場合は、すべて相手に有利に解決する(相手に「疑義の利益」を与える)。
- 相手コールへの配慮: 相手のコールについて、審判への正式なアピール以外の方法で疑問を述べたりコメントしたりしない。
- 服装の配慮: ボールの色に近い服装を避ける。また、さまざまな適応ニーズのある選手に配慮した柔軟な運用を行う。
第2章:主な用語の定義(Definitions)
- インプレー(Ball In Play): サーブが打たれてから、ボールがデッドになるまでの間。
- ライブボール(Live Ball): スコアコールの開始から、ボールがデッドになるまでの間(インプレーとは始点が異なる)。
- デッドボール(Dead Ball): もうインプレーではないボール。ラリーが停止している状態。
- フォールト(Fault): ルール違反によりボールがデッドとなり、そのラリーを失うこと。
- キャリー(Carry): ボールがパドル面で弾かれず、パドル上に留まって運ばれる反則打球。
- ダブルヒット(Double Hit): 1回のストローク中にボールが2回以上当たること。同一選手による一方向に連続した同一スイングであれば合法。
- ディストラクション(Distraction): 相手が打球しようとしている際に、大声、足踏み、不規則なパドル振りなど、ゲームに通常見られない動作で相手の集中や打球を妨げる反則行為。
- ヒンダー(Hinder): 選手自身が起こしたのではない、一時的・外部的な妨害(隣接コートからのボール、虫、異物、他コートの選手や審判の進入など)。常設物はヒンダーに含まれない。
- 常設物(Permanent Object): コート上・周囲・上方にあってプレーの妨げになりうるもの。天井、壁、フェンス、照明、ネットポスト(付属の車輪・アーム・脚を含む)、観客席、審判席など。
- 仮想延長線(Imaginary Extension): 物理的なラインの終端を超えて、その線がそのまま直線上に延びているとみなす仮想の境界線。
- ネットの面(Plane of the Net): ネットに沿って上下・左右へ無限に広がる垂直面。
- モメンタム(Momentum / 惰性): 打球動作に伴い身体が動き続けようとする性質。ボレーによるモメンタムは、選手がバランスと身体の制動を取り戻すか、ノンボレーゾーンへ向かう動きが完全に止まったときに終了する。
- ノンボレーゾーン(Non-Volley Zone / NVZ): ネット両側7フィート×幅20フィートのエリア(境界線を含む)。ボレーが禁止される。
- サービスコート(Service Court): センターラインの左右にある、ノンボレーゾーンを除いた有効着地エリア(ベースライン、サイドライン、センターラインを含む)。
- サービングエリア(Serving Area): ベースライン後方のエリア。サイドラインおよびセンターラインの仮想延長線によって区切られ、その線を含む。
- ファーストサーバー(First Server): ダブルスでサイドアウト後、右側から最初にサーブを打つ選手。
- セカンドサーバー(Second Server): ファーストサーバーのパートナーで、ファーストサーバー失点後にサーブを打つ選手。
- 開始サーバー(Starting Server): 各ゲームの開始時に最初にサーブを打つよう指定された選手。
- レシーバー(Receiver): サーブを返球する選手。
- サイドアウト(Side Out): サーブ権が相手チーム(または相手選手)に移ること。
- リプレイ(Replay): 得点やサーバーの変更なしに、そのラリーを最初からやり直すこと。
- リタイア(Retirement): 進行中の試合を途中で取りやめる選手・チームの決定。
- 棄権(Withdrawal): 大会の指定ブラケットにおける今後のすべての試合から外れる決定。
第3章:コートと設備仕様(Court and Equipment)
3.A. コートの寸法と仕様(Court Specifications)
- 全体寸法: 幅20フィート(6.10 m)× 長さ44フィート(13.41 m)の長方形(シングルス・ダブルス共通)。コートの寸法は外周ラインおよびノンボレーゾーンラインの外縁までを測る。
- プレー面(競技エリア)の寸法: 最小寸法は幅30フィート(9.14 m)× 長さ60フィート(18.29 m)。新設コートおよび大会推奨は幅34フィート(10.36 m)× 長さ64フィート(19.51 m)、スタジアムコート推奨は幅50フィート(15.24 m)× 長さ80フィート(24.38 m)。
-
ラインの仕様: すべてのラインは幅2インチ(5.08 cm)で、コート面と明瞭に対比できる同一色とする。
- ベースライン: ネットから22フィート(6.71 m)離れた両端のライン。
- サイドライン: コート外側両側面を区切る全長44フィートのライン。
- ノンボレーゾーンライン: ネットから両側に各7フィート(2.13 m)離れて平行に引かれるライン。すべての境界線はゾーンに含まれる。
- センターライン: ノンボレーゾーンラインからベースラインまでを二等分し、左右のサービスコートを区切るライン。
- サービスコート: ノンボレーゾーンとベースラインの間、センターラインの両側。ベースライン、サイドライン、センターラインを含み、それらに囲まれる。
- サービングエリア: ベースライン後方のエリア。サイドラインとセンターラインの仮想延長線に囲まれ、その線を含む。
3.B. ネットの仕様(Net Specifications)
- 材質: ボールが通り抜けないメッシュ素材。
- 支柱(ポスト): 内側から内側の間隔は22フィート±1インチ(6.71 m)。支柱の最大直径は3インチ(7.62 cm)。
- 寸法: 長さは最低21フィート9インチ(6.63 m)、ネット上下幅は最低30インチ(76.2 cm)。
- 上端の縁取り: コードまたはケーブルの上に幅2インチ(5.08 cm)の白いテープを巻き、縁取りはコード/ケーブルの上に載っていなければならない。
- 高さ: サイドライン外縁上空で36±0.25インチ(91.44 cm)、コート中央で34±0.25インチ(86.36 cm)。中央にストラップがある場合はストラップを含めて測定する。
3.C. ボールの仕様(Ball Specifications)
- 公認球: USA Pickleball公認球リスト(Approved Ball List)掲載球を使用する。すべての公認球は屋内・屋外の双方で使用可能。
- 色と構造: 識別マークを除き一様な単色。滑らかな表面の一体成型または接合構造。製造者/供給者の名称またはロゴが表示されていること。
- 数値基準: ボールの直径、重量、反発性、穴の仕様などの詳細な試験規格は、別文書『Equipment Standards Manual』に規定される。
3.D. パドルの仕様(Paddle Specifications)
- 公認表示: メーカー名・モデル名/型番が明記され、「USA Pickleball Approved」シールまたは文字表示があること。
- 寸法と重量: 長さと幅の合計は24インチ(60.96 cm)以下、全長は17インチ(43.18 cm)以下(エッジガードおよびバットキャップを含む)。厚みおよび重量の制限はない。
- 素材と表面: 剛性で非圧縮性の安全な素材。打球面に穴、亀裂、層間剥離、へこみ、粗い質感加工、サンドペーパー特性、天然ゴム・合成ゴム、ヘッドのモメンタムを増す可動部品、追加スピンを生む塗料・微粒子・ビニル化合物、反射仕上げ等があってはならない。
- 許容される変更: エッジガードテープの追加・交換、ウェイトテープの追加、メーカー純正の重量調整/交換式グリップ/交換式パドル面の交換、インサートによるグリップサイズ調整、グリップラップの追加・交換、識別目的の手書きペン記入(名前、署名、電話、メール)またはサイン。
- テープ・デカールの貼付制限: グリップ上端から1.0インチ(2.54 cm)以内、およびパドル外縁(エッジガード内側)から0.5インチ(1.27 cm)以内にとどめる。
第4章:得点方式(Point Scoring)
- 4.A. 標準得点方式: サーブ側がラリーに勝利したときのみ1点を得る(サイドアウト制)。
- 4.B. ゲームの勝者: 規定の勝利点(通常11点、または15点・21点)を先取し、かつ2点以上の差をつけた選手またはチームが勝者となる。
第5章:立ち位置とサーブ順序(Player Positions and Serving Sequence)
5.A. シングルス
- 立ち位置の決定: サーバーの得点が0または偶数のときは右側サービングエリアからサーブし、相手の右側サービスコートで受ける。サーバーの得点が奇数のときは左側サービングエリアからサーブし、相手の左側サービスコートで受ける。
- サーブの継続: 得点するたびに左右を交互に交代してサーブを続け、ラリーを失うとサイドアウトとなる。
5.B. ダブルス
- サイドアウトの移行: チームの両選手がサーブ権を行使して失点するまでサイドアウトにならない(ただし、各ゲームの最初のみは開始サーバー1人のみがセカンドサーバーとしてサーブを行い、失点でサイドアウトとなる)。
- ファーストサーバーの決定: サイドアウト後、自チームの得点状況に応じてその時点で右側に正しく立っている選手からサーブを始め、そのローテーション中はファーストサーバーとなる。そのパートナーがセカンドサーバーとなる。
- 正位置の基準: 開始サーバーは自チームの得点が0または偶数のときは右側、奇数のときは左側コートに位置する。そのパートナーは逆側に位置する。
- ラリー中の位置: サーブおよびレシーブの瞬間を除き、ボールがライブの間は自陣側ネットの範囲内であればコート内外のどこに位置してもよい。
5.C. 立ち位置とサーバーの確認・誤り
- サーブ前の確認権: サーブが打たれる前であれば、選手は相手に正しいサーバー、レシーバー、立ち位置を尋ねることができ、相手は正確に答えなければならない。
-
ラリー中の位置誤りの指摘:
- リプレイ: スコアコール時点で正しいサーバーまたはレシーバーが正位置におらず、選手がラリーを止めてその誤りを正しく指摘した場合はリプレイとなる。
- フォールト: 誤った指摘でラリーを止めた場合は、止めた選手のフォールトとなる。
- 不正レシーバーの返球: 正しいサーバーとレシーバーが正位置にいたにもかかわらず、指定外の選手がサーブを返球した場合はその選手のフォールトとなる(ラリー終了後であっても次のサーブ前までに指摘すれば成立する)。
- ラリー終了後の判明: 位置誤りに気づかずラリーが完了した場合、そのラリーの結果はそのまま有効となり、次のサーブ前に正しい位置に修正する。
第6章:レディネスとスコアコール(Player Readiness and Calling the Score)
6.A. ノットレディの合図(Readiness)
- スコアコールの開始前であれば、どの選手も準備ができていないことを合図できる。
-
認められる合図(3種のみ):
- パドルを頭上に上げる
- パドルを持たない手を頭上に上げる
- ネットに完全に背を向ける
- スコアコール開始後は、ヒンダーを知らせる場合を除き、上記の合図は無効となる。
6.B. スコアコールの手順
- 全員の準備が整い、サーバーとレシーバーが所定の位置についてから(またはつくべき状態になってから)スコアをコールする。通常はサーバーがコールを行う。
- シングルス: 2つの数字でコールする(サーバーの得点、レシーバーの得点)。開始時は「ゼロ–ゼロ」。
- ダブルス: 3つの数字でコールする(サーブ側の得点、レシーブ側の得点、サーバー番号)。開始時は「ゼロ–ゼロ–ツー」。
- コール代行: サーバーが発声できない場合、パートナーが代行してコールできる(ゲーム終了まで同一人物が継続する)。
6.C. サーブのタイミング
- スコアをすべて言い終えてからサーブを打たなければならない。コールの途中で打った場合はサーバーのフォールトとなる。
6.D. 10秒ルール
- スコアコール完了後、サーバーは10秒以内にサーブを打たなければならない。10秒を超過した場合はサーバーのフォールトとなる。
- スコアコール後にサーブ側がサービスエリアを変更する場合、全員が位置を正せるようにし、スコアをコールし直して10秒カウントを再開する(リプレイ扱い)。
6.E. 停止の指示とスコア確認
- コール開始後であっても「ストップ」「ウェイト」などの言葉による停止指示は有効である。サーブ前なら相手に正しいスコアを尋ねることができる。
6.F. スコア誤りの指摘
-
レシーバー側の返球が打たれる前、かつボールデッド前であれば、ラリーを止めてスコアの訂正を求めることができる。
- リプレイ: 誤ったスコアがコールされていた場合、正しいスコアをコールし直してリプレイする。
- フォールト: 正しいスコアだったのにラリーを止めた場合、またはサーブの返球が打たれた後に止めた場合は、止めた選手のフォールトとなる。
- ラリー完了後: 誤ったスコアのままラリーが終了した場合、結果は有効となり、次のサーブ前にスコアを訂正する。
第7章:サーブ規定(Serving)
7.A. サーバーの立ち位置とフットフォールト
- サーブを打つ瞬間、サーバーの少なくとも片足が正しいサービングエリアの地面に接していなければならない(両足が浮いていればフォールト)。
- どちらの足も、コート内(ベースライン含む)または正しいサービングエリア外のプレー面に接触していてはならない(接触していればフォールト)。
7.B. ボールのリリース
- ボールは片手のみ、またはパドルのみからリリースしなければならない。
- リリース時に身体やパドルを使ってボールにスピンを加える操作は禁止される(自然な回転や、重力でパドル面を転がり落ちることは認められる)。なお、パドルがボールに接触する瞬間にスピンを与えることは完全に合法である。
- 審判のいない試合では、リリース時にスピンが加えられたとレシーバーが判断した場合、返球前に限りリプレイを要求できる(審判付きの試合での扱いは第20章を参照)。
- リリースはレシーバーから見えるように行わなければならない。見えなかった場合、レシーバーは返球前に限りリプレイを要求できる。
7.C. ボレーサーブ(Volley Serve)
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ボールをバウンドさせずに打つサーブ。以下の3要件を審判・相手から見て「明確に(clearly)」満たさなければならず、違反はフォールトとなる。
- パドルが明確に上向きの円弧を描いて動いているときに打球すること。
- インパクトの瞬間、パドルヘッドの最高点がサーバーの手首関節の最高点より明確に上になっていないこと。
- インパクトの瞬間、ボールの高さがサーバーのウエスト(腰)より明確に高くなっていないこと。
- フォアハンド、バックハンドのいずれの動作でも打球できる。
7.D. ドロップサーブ(Drop Serve)
- ボールを手から自然な高さで落とし、プレー面でバウンドした後に打つサーブ。
- リリース時にボールを投げる、叩きつける、推進力を加える行為は禁止される。自然な高さから落とさなかった場合と同様に、違反はフォールトとなる。
- 打球前のバウンドの回数およびバウンドする場所に制限はない。フォアハンド、バックハンドのいずれでも打球できる。ボレーサーブの3要件は適用されない。
7.E. サーブの着地点とフォールト
- サーブは対角の正しいサービスコートに着地しなければならない(ネットに触れて越えても有効)。
-
次の場合はサーバーのフォールトとなる:
- 正しいサービスコート外に着地
- ノンボレーゾーン(境界ライン含む)に着地
- 着地前に常設物に接触
- 着地前にサーバー自身・パートナーまたはその着用・所持品に接触
- サーブが着地する前に、レシーバー側選手またはその着用・所持品に接触した場合は、レシーバー側のフォールトとなる。
第8章:ライン判定(Line Calls)
8.A. 判定の責任
- 選手は自陣側コートのすべてのラインについてアウトコールを行う責任を持つ。ダブルスではどちらのパートナーもコールできる。
8.B. インとアウトの判定基準
- イン: サーブがNVZラインを越えて正しいサービスコートに着地した場合、または返球が相手コート内に着地した場合。ボールがラインにわずかでも接触していればインである。
- アウト: ボールが完全にラインの外側に接触した場合。ラインとボールの接地点の間に明確な隙間(床面)が見えない限り、アウトとコールしてはならない。
8.C. コールの倫理と方法
- アウトのコールは声、手信号、またはその両方で速やかに行う。
- タイミング: 返球した場合は相手が打つ前またはボールデッド前にコールしなければならない(遅れた場合はプレー続行)。返球しなかった場合は、速やかなコールであればボールデッド後でも有効。
- 疑義の利益: 疑わしい判定、またはパートナー同士の意見が分かれた(コンフリクトが生じた)場合は、すべて相手有利(イン)として扱う。
- 相手への意見照会: 次のサーブが打たれる前までなら相手に判定の意見を委ねることができる。相手が明確に判断すればそれに従う。相手も不明瞭な場合は自チームのコールが有効(コールがなければイン)となり、一度相手に意見を求めた後はコール権を失う。
- 観客への確認禁止: 観客にライン判定の意見を求めてはならない。
- コミュニケーション: ボールが空中にある間のパートナー同士の声かけは意思疎通であり、ラインコールではない。自チームに不利な方向であれば、いつでも判定を覆して相手有利に修正できる。
第9章:デッドボール、フォールト、ヒンダー(Dead Balls, Faults, and Hinders)
9.A. プレーの停止とフォールト
- ラリーを止めるいかなる行為もボールをデッドにする。
- ボールが他にデッドとなる前に選手が勝手にラリーを止めた場合は原則としてその選手のフォールトとなる(例外:①ヒンダーの申告、②位置・サーバー誤りの正しい指摘、③返球前の誤スコア訂正申立て)。
9.B. フォールトのコール規定
- フォールトはボールがライブの間にのみ発生する(モメンタムによるNVZ違反を除く)。
- 選手は自チームのフォールトを気づいた時点で速やかに自己申告することが期待される。
-
相手へのコール権: 選手が相手に対して直接コールできるフォールトは、「ノンボレーゾーン違反」および「サーブのフットフォールト」に限られる。これらは速やかにコールし、次のサーブ前までに行う必要がある。
- 相手の反則コールについてチーム間で意見が対立した場合はリプレイとなる。
- パートナー間で意見が分かれた場合は相手有利に決定する。
- その他のフォールト: 上記2つ以外の反則を相手が犯したと考える場合、ラリー終了後に指摘することはできるが強制する権限はなく、最終判断は違反したとされる選手本人に委ねられる。
9.C. ヒンダー(妨害)
- どの選手でもヒンダーをコールでき、有効なヒンダーが発生した場合はそのラリーをリプレイする。
第10章:ラリー中の状況(Rally Situations)
- 10.A. ツーバウンスルール: サーブおよびサーブの返球は、それぞれ1回バウンドした後に打球しなければならない(違反はフォールト)。
- 10.B. バウンド回数: ボールが2回バウンドする前に返球しなければならない(ダブルバウンスはフォールト)。
-
10.C. 返球の着地と接触:
- 相手コート外に着地した場合、またはネットを越えず自陣に着地した場合は打った側のフォールト。
- 打球が着地前に常設物に接触した場合は打った側のフォールト。
- 自陣でバウンドしたボールを返球できず、返球前にボールが常設物に触れた場合は返球できなかった側のフォールト(相手コートでバウンドした後に風やスピンでネットポストに触れても打った側の得点)。
- パドルを保持する手の手首関節より下以外の身体部位や衣服にボールが触れた場合はフォールト。
- 10.D. ダブルヒット: 1人の選手による一方向に連続した単一ストローク内であれば、ボールが複数回接触しても合法である。返球しようとして、パートナーの2人がともにボールを打った場合はフォールトとなる。
- 10.E. 空振り: ボールに完全に空振りした場合、ボールはライブのまま継続する。
- 10.F. ディストラクション: 相手が打とうとする際に大声や不規則な動作で妨害してはならない(違反はフォールト)。
- 10.G. ボールの破損: ラリー中に割れ・亀裂が生じてもラリー終了までプレーを続ける。審判のいない場合は、割れ・亀裂がラリー結果に影響したと全選手が一致すればリプレイ、一致しなければ結果有効(審判付きの試合では審判が判断する。第20章を参照)。単なる劣化・軟化ではリプレイとしない。
- 10.H/I. 負傷および用具トラブル: ラリー中に負傷や用具破損が生じても、ラリー終了までプレーを継続する。
- 10.J. コート上の落下物: 着用物・所持品が自陣コートに落下してもボールはインプレーを維持する(ボレーに伴いNVZに触れた場合を除く)。
- 10.K. ラリー間のインターバル: 試合の流れを妨げない範囲で、速やかな水分補給、汗拭き、用具調整が認められる。
第11章:ノンボレーゾーン規則(Non-Volley Zone Infractions)
11.A. ボレーの禁止と足のリセット
- ボレー(ノーバウンド打球)はすべてノンボレーゾーンの外側から開始しなければならない。
- ノンボレーゾーン(ライン含む)に触れている状態でのボレーはフォールトとなる。
- 足のリセット要件: 一度ノンボレーゾーンに触れた選手は、両足が完全にノンボレーゾーン外の地面に接地し直すまで、ノーバウンドでボールを打つことはできない(違反はフォールト)。
11.B. モメンタム(惰性)
- ボレーを打った勢い(モメンタム)により、打球後に身体、パドル、着用・所持品がノンボレーゾーンやその境界線に触れた場合はフォールトとなる(ラリーが終了した後であっても適用される)。
- ボレーした選手がNVZに触れているパートナーに接触した場合もフォールトとなる(パートナーがNVZ外から支えて侵入を防いだ場合は合法)。
11.C. バウンド後の打球
- ボールがゾーン内でバウンドした後は、ゾーン内に進入して打球することは完全に合法である。
第12章:プレー中のパドル(The Paddle During Play)
- 12.A. パドルの本数: ラリー中に使用・携帯できるパドルは1本のみ(2本以上の携帯・使用はフォールト)。
- 12.B. パドルの保持: 打球時にパドルを手で保持していなければならない(投げつけての打球はフォールト)。片手・両手保持、手の持ち替えはいつでも自由。
- 12.C. キャリー・キャッチ: ボールをパドルに乗せて運ぶ行為やキャッチはフォールトとなる。
第13章:ネットおよび支持装置(The Net & Net Support System)
- 13.A. ネット接触: ボールがネット本体または支柱間の上部コード/ケーブルに触れてもインプレーを維持する。ネットを越えた返球がネットに引っかかったり、地面に垂れたネットに触れた場合はリプレイとなる。
-
13.B. ネット支持装置(ポスト・横木等)への接触:
- サーブが支持装置に触れた場合、および返球がネットを越える前に自陣側の支持装置に触れた場合はフォールト。
- リプレイ規定: ネットを越えた返球が、コート境界内にある支持装置の横木(クロスバー)等に触れた場合は、バウンドの前後を問わずリプレイとなる。
- 13.C. アラウンド・ザ・ポスト(ATP): ネットポストの外側を回して相手コートへ返球するショットは完全に合法であり、ネットの高さより低い位置を通過しても有効である。
- 13.D/E. ネットの間・下: ネットと支柱の間、またはネットの下を通して打球した場合はフォールトとなる。
- 13.F. ネット平面を越える前の打球: ボールがネット平面を完全に越えて自陣側に来る前に打球した場合はフォールトとなる。
- 13.G/H. ネット・相手への接触: ボールがライブの間、選手や着用・所持品がネット、支持装置、相手選手、相手側コート面に触れた場合はフォールトとなる。
-
13.I. ネット平面を越える動作(オーバー・ザ・ネット):
- 通常の打球後: 自陣で正しく打球した直後の一連のフォロースルー動作に限り、ネット平面を越えることが認められる(打球前に越境した場合や、打球しなかった場合はフォールト)。
- 戻り球の例外: 自陣でバウンドしたボールが強いスピンや風でネットを越えて相手側へ戻る場合、ボールが相手側へ渡りきった後に限り、ネットの上・下・外側を越えて相手側上空で打球できる(相手側で1バウンドする前に打てなかった場合はフォールト)。
- 13.J. ネット故障: ラリー中にネットシステムが破損・故障した場合はリプレイとなる。
第14章:標準ルールの変形(Variations on Standard Pickleball)
14.A. ラリーポイント制(Rally Scoring Option / 暫定ルール)
- 基本得点方式: サーブ権の有無に関係なく、各ラリーの勝者に1点が入る。
- 決勝点の運用: ゲームを決める決勝点(ウィニングポイント)を含め、すべてのポイントでラリー勝者に得点が入る(フリーズ規定は排除)。
- スコアコール: 「サーバー側得点、レシーバー側得点」の2つの数字のみでコールする。
- ダブルスのサーブ順序: サイドアウトごとに、チームの得点に応じた右側ポジションの選手からサーブを始める。サーバーは得点するたびに左右を交代し、ラリーを落とした時点で即サイドアウトとなる(各サイドアウトにつきサーバーは1名のみ)。
14.B. ミニシングルス(Mini-Singles)
- 通常コートを使用し、各選手の得点(偶数=右、奇数=左)に応じて有効となる半面のみを使ってプレーする。
- センターラインをノンボレーゾーン内まで延長する追加ラインを設ける(同色でなくてよい)。有効半面の境界線はベースライン、サイドライン、センターラインであり、反対側の半面に着地した球はアウトとなる。
第15章:大会種目と得点形式(Tournament Events and Scoring Options)
- 種目区分: 男女シングルス・ダブルス、混合ダブルス、車いす、適応立位、ハイブリッドダブルス。ダブルスは上位レーティング選手のレベルおよび年少者の年齢を基準に部門を決定する。
- 大会競技形式: ダブルエリミネーション(敗者復活戦付き)、シングルエリミネーション、ラウンドロビン(総当たり戦)、プールプレーなど。
-
ラウンドロビンのタイブレーク順:
- 直接対決成績
- 全ゲームの得失点差
- 直接対決ゲームの得失点差
- 次順位チームとの得失点差
- 総得点数
- 途中棄権・没収となった選手の結果は順位から除外される。
- 得点形式: 原則として2点差勝利。11点マッチ(3ゲーム中2ゲーム先取または5ゲーム中3ゲーム先取)、15点または21点1ゲームマッチなど。ラリーポイント制は大会ディレクター(TD)の裁量で採用できる(一部主要大会を除く)。コンソレーションなしのシングルエリミネーションを除き、最低2試合の出場が保証される。
第16章:大会ディレクターの責任(Tournament Director Responsibilities)
- 大会全体の最高責任者であり、役員の指定、組み合わせ作成、使用球の選定、コート変更の指示、現地特有の危険事項の事前通知などを行う。
- ルールブックにない独自ルールを設けてはならず、物理的制約による例外はUSA Pickleball担当責任者の事前承認を必要とする。
- 不適切な服装(ボールと同色の服装等)の変更命令、審判判定に対する選手アピールの最終解決、不行跡に対する警告・没収・退場処分の最終決定権を持つ。
第17章:審判の職責(Referee Responsibilities)
- 試合中のすべての手続き・事実判定に全責任を負う。
- 試合前業務: 用具・コートの点検、パドル規格適合検査、安全事項のブリーフィング、コイントス等によるサーブ/エンド第一選択権の決定、開始サーバーの識別標識着用の確認。
- 試合中業務: 正しい選手・位置・スコアコールの管理、フォールトおよびリプレイの宣告、タイムアウトの執行と15秒警告、ボール破損の判断、選手のスポーツマンシップ管理(警告・ペナルティの付与)。
第18章:選手の試合前責任と用具・服装(Player Responsibilities)
- パドル検査: 公認リスト掲載パドルを使用しなければならない。試合開始前の非適合発見は無罰で交換可能だが、試合中に発覚した場合は即時「試合没収」となる(試合終了後の発覚は結果有効)。
- 服装・シューズ: 体育館面を傷つけない靴、品位ある服装。ボールと同色の服装は変更を命じられる場合がある。
- 電子機器: 処方された補聴器を除き、競技中にイヤホン・ヘッドホン等の音声通信機器を使用してはならない。
- 集合時間: 試合呼び出し後10分以内にコートへ集合しなければならない(10分超過で第1ゲーム没収、複数ゲーム形式で15分超過時は試合没収)。
- パートナー変更: 1回戦開始前かつ負傷等のやむを得ない事情がある場合に限り、TD承認のもとで変更可能。
第19章:大会におけるライン判定(Tournament Line Calls)
- 審判の判定範囲: 審判付きの試合では、サーブのフットフォールト、ショートサーブ(ノンボレーゾーンへの着地)、ノンボレーゾーンのフォールトは審判が判定する(第9章の「相手へのコール権」は審判のいない試合での規定)。
- ラインジャッジなしの試合:選手が自陣側のベースライン、サイドライン、センターラインのアウトコールを行う。
- ラインジャッジ付きの試合: ラインジャッジが担当ラインのアウトおよびフットフォールトを判定する(選手はセンターサービスラインのみ判定)。
- 判定のアピール: ラリーを終了させた最後のショットに限り、次のサーブ前までに審判へアピールできる。審判がインと視認していた場合はコールを覆さなければならず、選手のアウトコールが覆された場合はその選手側のフォールトとなる(ラインジャッジのアウトコールが覆された場合はリプレイ。判定で得をする側がラリーを相手に譲ることもできる)。
- 審判が判定できない場合: ラインジャッジなしの試合では選手のコールが有効となり(相手に意見を求めて相手が明確に判定していれば相手のコール)、選手も審判も判定できなければインとなる。ラインジャッジ付きの試合ではラインジャッジのコールが有効となり、審判団の誰も判定できない場合に限りリプレイとなる。
- 相手有利への変更: 審判やラインジャッジが自チーム有利のアウトと判定した場合でも、選手はそれを覆して相手有利に修正(またはリプレイ・譲渡)できる。
第20章:大会中の特別状況(Tournament Match Situations)
- サーバー・位置・スコアの確認: サーブ前であれば、選手は審判に正しいスコア、サーバー、レシーバー、位置を確認できる。
- サーブ判定の基準(明確性とリプレイ): 審判はボレーサーブの3要件(上向きの弧、ヘッドが手首より上でない、打点がウエストより高くない)やドロップサーブの動作、リリース時のスピンの付与が明確に違反していればフォールトを宣告する。一方、要件を満たしたか確信が持てず疑わしい場合は、サーブリターン前に限り「リプレイ」を命じる権限を持つ。
- ボール破損の裁定: 割れ・亀裂を審判が確認した場合に交換する。破損球がラリー結果に影響したと審判が判断すればリプレイとなる。
- コーチング: タイムアウト中およびゲーム間を除き、パートナー以外からコーチングを受けてはならない(違反は警告対象)。
- 判定への異議申し立て: 審判の判定に疑義がある場合、選手はヘッドレフェリーまたは大会ディレクターに裁定をアピールできる。ヘッドレフェリーまたは大会ディレクターが審判の判定を支持した場合は、テクニカルウォーニングが科され、タイムアウト1回が消費される(タイムアウトが残っていなければテクニカルファウル)。
第21章:タイムアウトと休憩規定(Time-Outs and Breaks)
- スタンダードタイムアウト: 各ゲームにつき1チーム2回(21点ゲームは3回)、各1分間。ラリー間またはゲーム間に要求する(サーブ打球後の要求はフォールト)。
- エンドチェンジ(コート交代): 1ゲーム制またはタイブレークゲームにおいて、規定得点(11点ゲームは6点、15点ゲームは8点、21点ゲームは11点)に達した時点で1分間の交代タイムアウトをとる(サーバーは交代しない)。
- メディカルタイムアウト: 負傷・急性疾患に対し、試合全体で1回、最大15分間認められる(医療スタッフ到着時から計時、会場内移動時間は15分から除外)。15分以内に再開できなければ試合リタイアとなる。正当な医療事由がないと判断された場合はペナルティが科される。
- レフェリータイムアウト: 選手の活動的な出血、コート上の異物・水分除去など、特別な安全確保のために審判が宣告する。血液の清掃と止血が完了するまで再開されない。
- 器具タイムアウト: 公平・安全な続行に必要な用具調整・交換に対し、審判が合理的な時間を与える。
- ゲーム間および試合間休憩: ゲーム間は最大2分(エンドと先発サーブ権を交代)、試合間は10分間。
第22章:非スポーツマン的行為と罰則(Unsportsmanlike Conduct and Penalties)
| 処分の段階 | 概要・対象行為 | 適用効果 |
|---|---|---|
| 1. 口頭警告 | 軽微な違反に対する事前の注意 | 1試合1回まで宣告可能 |
| 2. テクニカルウォーニング | 不快な言葉、冒涜、審判・相手との激しい口論、ボール虐待、不当な遅延、アピールの繰り返し、違法コーチング等 | スコアの変動なし |
| 3. テクニカルファウル | 危険なパドル・ボール投げ、極端な冒涜・脅迫、2回目のテクニカルウォーニング等 | 違反側から1点減点(0点の場合は相手に1点加算) |
| 4. ゲーム没収 | テクニカルウォーニング1回+テクニカルファウル1回、またはテクニカルウォーニング3回で適用 | スコアは11-0等で相手勝利として記録 |
| 5. 試合没収 | 人に当たる・器物を破損するパドル/ボール虐待、非公認パドル使用、故意の攻撃的身体接触、同一試合で2回目のテクニカルファウル、ウォーニング・ファウルの累積によるゲーム没収の後に、さらにテクニカルウォーニングまたはテクニカルファウルを受けた場合等 | 該当試合全体の敗北 |
| 6. 退場および追放 | 差別的蔑称(slur)の使用、暴力による負傷・損壊、意図的な無気力プレー(ベストエフォートの欠如) | TDが大会全体からの排除を決定 |
第23章:リタイアと棄権(Retirements and Withdrawals)
- リタイア(Retirement): 試合開始後に途中で試合を取りやめること。相手の勝利となり、進行中のゲームは相手が勝利スコアに達するまで得点が補完される(未実施ゲームは11-0等として記録)。大会形式上資格があれば、同じブラケットの後続試合(敗者復活戦等)には出場できる。
- 棄権(Withdrawal): 指定ブラケットの今後の全試合を辞退すること。今後の試合すべてから除外され、未実施のゲームは「0-0」として記録される。
第24章:審判のいない大会規定(Non-Officiated Tournament Play)
- 選手自身が試合を進行し、結果を報告する。
- 携帯ボールの隠匿義務: ラリー中に選手が携帯する予備のボールは相手から見えてはならず、ライブ中に相手に見えたり地面に落とした場合はその選手のフォールトとなる。
- 役員の要請: 相手がルール違反を繰り返している場合や、選手間で解決できない事態が生じた場合は、審判または大会ディレクターを呼ぶことができる。
第25章:インクルーシブ競技規定(Wheelchair, Adaptive Standing, and Hybrid Play)
25.A. 車いす競技(Wheelchair Play)
- 基本規定: 車いすは身体の一部とみなされ、大型後輪は立位選手の脚と同様に位置判定される。打球時に少なくとも一方の臀部がシートに接触していなければならない。
- 下肢の接地禁止: ライブ中、下肢が地面や車輪に接触してはならない(手動自走が困難な選手が片足で地面を蹴って推進する例外措置を除く)。
- サーブ: 打球時、両方の大型後輪がベースライン後方に接地し、サービスエリア外に触れてはならない(前輪はコート内に入ってよい)。
- ツーバウンス許可: 車いす選手はボールを2バウンドまでさせて返球できる(1バウンド目はコート内、2バウンド目はプレー面のどこでもよい)。
- ノンボレーゾーン: 前輪および後部安定輪はNVZにいつでも接触してよい。大型後輪がボレー時またはモメンタムによってNVZ(ライン含む)に触れた場合はフォールトとなる。
25.B. 適応立位競技(Adaptive Standing Play)
- 移動・バランス等に著しい永続的障がいのある立位選手が対象。義肢・装具・松葉杖などの補助器具を使用でき、器具は身体の一部とみなされる(器具でボールを故意に打つことは禁止)。
- 対象となる適格選手は、試合前申告により「2バウンド返球(ツーバウンス許可)」を選択できる。
25.C. ハイブリッドダブルス(Hybrid Doubles)
- 各チームが車いす選手1名+立位選手1名(健常者または適応立位選手)でペアを組む競技形式。